猫が爪とぎをする意味
そもそも、なぜ猫は爪とぎをするのでしょうか?猫が爪とぎをする理由は、大きく分けて以下の4つです。
- 爪のケア
- 縄張りを主張するためのマーキング
- 気分転換やストレス解消
- 飼い主へのアピール
上手にしつけるために、まず猫が爪とぎする理由をしっかりと押さえておきましょう。行動の意味が分かればそれに応じて対処することができます。
では、猫が爪とぎする4つの理由を順次解説していきます。
爪のケア
家の中で飼われていても、猫には狩りをしていた頃の本能が残っています。このため、獲物を確実に仕留められるように、爪とぎをすることで古い爪をはがし、鋭い爪を出しているのです。猫が爪とぎをした場所には、古い爪が落ちていることがよくあります。
さらに、猫は爪とぎをすることでシーツやカーペットなどに爪が引っかからないようにケアをしています。猫の爪とぎは、人間に例えると爪切りと似たような意味を持つのかもしれませんね。
縄張りを主張するためのマーキング
猫の足の裏には、「臭腺」と呼ばれる強い臭いを発生させる分泌腺があります。猫が壁などに爪とぎをするのは、臭腺から自分の臭いを擦り付けて「ここは自分の縄張りだぞ」と主張するためです。
さらに、爪とぎを行って傷をつける行為自体もマーキングと言えます。高い位置に爪とぎをすることで、自分が大きく力のある猫だという、メッセージを残しているのです。
気分転換やストレス解消
猫は、他の猫との喧嘩で負けるなどストレスを感じた時や、寝起きで気分を切り替えたい時などに爪とぎをすることがあります。生理的現象である爪とぎをすることで、嫌な気分を発散したり気持ちを落ち着かせたりしているのです。
猫がストレスを感じる例としては、知らない人の訪問が挙げられます。自分の縄張りに他人が入ってきたストレスで爪とぎをする場合も多いので、まだ人に慣れていない猫はケージに入れることをおすすめします。
飼い主へのアピール
猫は飼い主に構ってほしくて爪とぎをすることがあります。「自分を見て!」と爪とぎを行っている場合は、ぜひ一緒に遊んでストレスを発散させてください。 また、爪とぎが上手にできた時に褒めてあげると、「また声をかけてほしい」という気持ちから再度爪をとぐこともあります。自信満々に爪とぎをする猫の姿はとってもかわいいですよ。
猫の爪とぎを上手にしつけるコツ
前述のように猫は本能的に爪とぎをしているので、爪とぎ自体をやめさせることは難しいです。しかし、壁やソファなどに爪とぎをしないようにしつけることはできます。
爪とぎをしつける際は、猫用の爪とぎグッズを用意するのがおすすめです。ここでは、爪とぎグッズで爪とぎをするように上手く誘導する方法や、上手にしつけるコツを解説していきます。
大きな声で怒らず爪とぎ場所へ導く
爪とぎをしつけるためには、爪とぎグッズへ上手に誘導することが大切です。猫が壁などで爪とぎを始めそうになったら抱きかかえ、爪とぎ場所へ連れていきましょう。前足を持って2~3回実際にひっかいてあげるのもいいかもしれません。
注意してほしいのは、間違ったところで爪とぎをしてしまっても強く怒らないことです。爪とぎは猫の習性なので、大きな声で叱られてしまうとストレスを感じてしまいます。
爪とぎ場所へ誘導し、上手にできたらたくさん褒めてあげる、ということを繰り返せば、自然と指定の位置で爪とぎをするようになりますよ。
間違えた場所で爪とぎをしても大きなリアクションをしない
怒らないこととも通じますが、もし壁や家具などに爪とぎをしてしまっても、「だめ!」などと大きなリアクションをしないようにしましょう。猫がストレスを感じるだけでなく、「壁に爪とぎをすれば飼い主が構ってくれる!」と認識してしまうことがあります。
特に、普段爪とぎグッズで爪とぎをすると何も言わないのに、誤った場所で爪とぎをすると大きなリアクションをしてしまう人は注意が必要です。壁などに爪とぎをしていても、冷静に爪とぎグッズへと導いてあげてください。
猫を観察して効率よくしつける
猫はそれぞれ性格が異なるので、爪とぎスタイルや爪とぎグッズの好みは様々です。だからこそ猫をよく観察し、「立って爪をとぐのが好きなのかな」「段ボール素材の爪とぎグッズがお気に入りなのかな」など猫の好みを把握しましょう。
猫の好みが分からないうちは複数の爪とぎグッズを購入し、家の中に散りばめるのもおすすめです。爪とぎグッズは壁に立てかけるものから床に置くものまで、さらに素材も段ボールや麻など多種多様なので、どんな爪とぎグッズが気に入るかチェックしてみてください。
猫の爪とぎ防止グッズ
爪とぎのしつけはできると言っても、すぐに猫が完璧に爪とぎをしてくれるとは限りません。最初のうちはどうしても壁などに爪を立ててしまいがちなので、傷をつけないよう爪とぎ防止グッズを利用してみましょう。
特に賃貸の方は壁やドアに傷跡が残ってしまうと、退去時に修復費用を請求される可能性があります。こちらでは代表的な猫の爪とぎ防止グッズをまとめたので、参考にしてみてください。
爪とぎ保護シート
壁や柱の爪とぎを防止するためには、「爪とぎ保護シート」を選びましょう。つるつるとした素材のシートなので猫は爪とぎができず、自然とひっかかなくなります。保護シートを貼る時は、猫の体長いっぱいの高さまでを目安にすることがおすすめです。
また、どうしても壁や柱で爪とぎをしてしまう猫には、直接壁や柱にとりつけることができる爪とぎ器を検討するのもいいでしょう。木材や麻素材などの爪とぎグッズを壁や柱に貼り付けることで、猫と飼い主のどちらもストレスなく過ごすことができます。
猫の苦手な臭いを出すスプレー
ソファなどシートを取り付けられない場所を保護したいときは、猫の苦手な臭いを出すスプレーを使ってみましょう。猫は柑橘系や酸っぱい臭いが苦手なので、爪とぎをしてほしくないところに吹きかけると寄り付かなくなります。
ただ、猫によって苦手な臭いは異なるので効果がないことも珍しくなく、さらにやりすぎると猫がストレスを感じるといったデメリットもあります。猫を観察しながらスプレーを活用するかを考えてみましょう。
ネイルキャップ
どうしても猫の爪とぎを上手くしつけられない場合は、ネイルキャップを検討してみるのも良いでしょう。ネイルキャップとは猫の爪につけるカバーであり、日本ではあまり出回っていませんが、アメリカなどでは一般的に使われています。
ネイルキャップを利用すれば、爪とぎによって壁などに傷が付くことや爪によるけがを防ぐことができます。ただ、「好きな時に爪を出せない」「思うように爪とぎができない」と猫が不満を感じてしまうことも少なくありません。ネイルキャップを使用する場合は、メリット・デメリットを考えて検討しましょう。
猫がストレスで爪とぎをしていないか要チェック
「何度も爪とぎ場所に誘導しても、壁に爪とぎをしてしまう」という場合は、もしかしたら猫がストレスを抱えているのかもしれません。
爪とぎをしつけするためには、猫が満足するまで遊んであげているかなどストレスの原因を模索し、解決する必要がある場合もあります。
猫の爪とぎは本能!上手に付き合おう
猫が爪とぎをするのは、爪のケアやマーキング、ストレス発散、飼い主へのアピールなど様々な理由があるからです。爪とぎ自体は猫の生理的現象なので、無理矢理やめさせるのではなく、爪とぎ場所へと誘導してあげることでお互いがストレスなく過ごせる様にしましょう。
爪とぎのしつけを何度も繰り返し行うことで、猫は必ず覚えてくれます。さらに壁やソファなどを保護するための爪とぎ防止グッズを利用すれば、安心してしつけることができます。ぜひ試してみて下さいね。
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この記事の監修者

大熊真穂さん
獣医師。日本大学獣医学部を卒業し、現在は臨床獣医師として動物病院に勤務(個人事業主)。専門家としての正しい知識を伝える記事執筆や監修業務に従事。
