猫の様子がおかしいのは病気?10個の症状から考えられる病気を解説

人間の病気と同じように猫にとっても病気の早期発見、早期治療は大切です。愛猫の様子を日々細かく観察しましょう。

しかし、いつもと様子が違うけれど、動物病院に連れて行くべきかどうか判断できないという方も多いはず。

本記事では、猫の普段と異なる素振りや、そこから考えられる病気についてご紹介します。家族の一員である愛猫の病気をいち早く発見し、健康に長生きさせてあげましょう。

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この記事の監修者

志村みゆきさん

志村みゆきさん

獣医師。日本獣医生命科学大学獣医畜産学部獣医学科を卒業後、獣医療、営業、編集者、研究助手、専業主婦などを経て、現在、医大の研究室にて動物実験や生化学実験業務に従事。

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猫の病気①食べてすぐ吐いてしまう

猫は毛玉を吐いたり胃の不快感で吐いたりと、他の動物と比べて比較的よく吐く動物です。そのため吐いたからといって、必ずしも動物病院を受診する必要があるというわけではありません。

特に食欲旺盛な猫の場合、ガツガツと勢いよく食べ、すぐに吐いてしまうことがあります。これは、慌てて食べたものが未消化のまま吐き出されただけのため病気ではありません。ただし、食べたものを吐いた後も吐き続けるなど、吐く行為が連続する場合は病気の可能性があるため注意が必要です。

食べてすぐ吐くという症状で考えられる病気は、急性胃腸炎や胃潰瘍などの胃の病気、食道炎や巨大食道症など食道の病気が考えられます。

他にも白い泡や透明の液体の場合は空腹によって吐いている可能性が考えられます。また、吐しゃ物に食べ物以外などが混じっている場合は誤飲の可能性があります。吐しゃ物に赤茶色からピンク色の血が混じっている場合は歯周病や潰瘍、腫瘍の可能性が考えられます。反復嘔吐が激しい場合は、腸閉塞や慢性腎臓病の可能性があります。

吐しゃ物の色や回数、他に症状はないかなどをしっかり確認し、必要に応じて動物病院を受診することが大切です。

猫の病気②ゴロゴロと喉を鳴らしている

一般的に猫がゴロゴロと喉を鳴らす行為は、喜んでいる時や甘えている時の仕草だとされています。しかし、実は猫が喉を鳴らす理由はポジティブなものだけではありません。

ゴロゴロ音は自分自身を落ち着かせる行為でもあるため、不安に感じている時や痛みを軽減するために鳴らすこともあります。猫が苦しい時や不安な時に出すゴロゴロ音は、甘えている時の音よりも低音であることが多いです。

いつものゴロゴロと音が違う場合やずっとゴロゴロと喉を鳴らし続けている場合は、猫ウイルス性鼻気管炎や猫カリシウイルス感染症などの猫風邪や肺炎、喘息など呼吸器系の病気が考えられます。

また骨折や外傷がある場合も、ゴロゴロと喉を鳴らすことによる低周波振動で治癒能力を高めたり、呼吸を整える手助けとなっていたりするという研究結果もあります。

肺炎や喘息の場合は息をしづらそうにしている、猫風邪の場合はくしゃみや鼻水などの症状が出る、骨折や外傷の場合は触ると嫌がるといった行動が見られるケースもあります。また、耳、まぶたに変化が表れる事も多いので、喉を鳴らす以外の他の症状にも注目してみましょう。

猫の病気③ずっと鳴いている

おしゃべりな猫から無口な猫まで、猫によって性格はさまざまです。しかし、愛猫が鳴きやまない時は、病気やストレスを抱えている可能性があるのをご存じでしょうか。

例えば、大きく低い声で「うおぉ~ん」「なおぉ~ん」と鳴く場合は、発情期の可能性があります。他にも、無視しても鳴き止まず、飼い主の姿を探しているなどの様子が見られる場合は、ストレスが溜まっている可能性があります。また、中には分離不安症を発症しているケースもあるので注意が必要です。

発情やストレスは病気ではないため、動物病院を受診する必要はありません。しかし、ストレスから他の病気を発症してしまうケースは十分に考えられますので、早急に原因を取り除いてあげる必要があります。

また、猫が鳴き続ける原因として、一番考えられる病気は認知症です。猫の認知症は人間と同じで、高齢になればなるほど発症する可能性が高まる病気です。

鳴き続ける以外の症状は人間の認知症と似ており、自分の名前や飼い主を理解できなくなる、部屋の中をウロウロと徘徊する、食べてもすぐに食事をねだる、性格が変化する、トイレで排泄できなくなるなど、様々な症状が挙げられます。

愛猫が認知症になった場合、動物病院を受診するのも大切ですが、遊んであげる、声かけをしてあげるなど、普段から脳を活性化させることを心がけるのがおすすめです。

猫の病気④排泄物が臭くなった

フードを変更したばかりの時やオヤツを大量に食べた時など、食生活が変化した場合、排泄物のにおいや量が変わる可能性があります。しかし、フードやオヤツを変更していないにもかかわらず、排泄物が臭くなった場合は注意が必要です。

排泄物が臭くなる原因として一番多いのは、便秘です。便秘によって体内に便が溜まり、排泄物が臭くなっているケースが考えられます。

便秘の場合でも、便が1~2日で出るようであれば、動物病院を受診する必要性は低いです。給水ポイントを増やし、どこでも水が飲めるようにするなどの対策を行いましょう。

猫の便秘に排便回数の明確な定義はありません。普段と比べてどうかで判断するのが良いでしょう。いきみや硬くコロコロした便が出る、1回に出る便の量が極端に少ないなどの場合は便秘が考えられます。

便秘が長期間続いている、お腹を触ると硬い塊があるなど、これらの様子が見られるようであれば、大腸炎、大腸や直腸のポリープや癌などの病気の可能性も考えられます。その際は動物病院を受診することをおすすめします。

他にも便から普段とは違うすっぱいにおいや腐敗臭がする場合は、腸内環境や消化器系に異常がある可能性が高いです。便のにおいにどのような変化があったのか、普段とどこが違うのかなど獣医師にしっかりと説明できるようにしておきましょう。

猫の病気⑤触ると嫌がるようになった

触っても平気な場所だったのに、ある日突然触られるのを嫌がるようになった場合、その部分に痛みが生じている可能性があります。

日ごろから体を隅々まで触ることで、猫の健康状態を把握しておくことが大切です。この時の注意点として、足先や急所であるお腹、しっぽや感覚器の役割をもつひげなどは、痛くなくても嫌がる猫がいるということは押さえておきましょう。

また、触られるのを嫌がる場所によって考えられる病気は異なります。例えば、足を触って嫌がる場合は骨折や脱臼、関節炎が考えられるでしょう。

背中を撫でて嫌がるようになった場合は、椎間板ヘルニアや変形性脊椎症が考えられます。そして首を触られるのを嫌がる場合は、頚部ヘルニアや甲状腺、気管、食道の異常が考えられます。

お腹を触って痛がった際に考えられる病気は、便秘や膀胱炎、胃炎から癌まで多岐にわたるため、早急に動物病院を受診するとよいでしょう。

全身のどこを触っても嫌がる場合は、中枢神経性リンパ腫という稀な病気で本当に全身が痛い可能性もありますが、一部に激痛があり触られることに過剰に反応しているケースも考えられます。

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猫の病気⑥うつ伏せでいることが多い

猫のうつ伏せというのは、足を地面につけたまま背中を丸め、うずくまった状態を指します。猫の一般的な姿勢ではありますが、長期間の闘病で体力が低下しているときも、うつ伏せの体勢をとることがあります。

普段からうずくまった体勢を好む猫の場合は例外ですが、普段違う体勢を好むのに頻繁にうつ伏せになっている場合は、痛みを我慢している可能性が高いです。ケガなどによる痛みのある場所を庇っているケースが多いため、全身をしっかりと確認してあげましょう。

ケガが見当たらない場合は、内臓に何らかの異常を抱えている可能性があります。下痢や発熱などうつ伏せ以外の症状に心当たりがないか考えてみましょう。

また、うつ伏せとは異なりますが、うつ伏せと見間違いやすい症状として、頭を床や壁など固いものに押し付ける「ヘッド・プレッシング」という症状があります。

ヘッド・プレッシングが見られた場合、脳腫瘍や脳卒中、頭部外傷、ウイルス感染など、緊急性が高い病気であるケースが多いです。早急に動物病院を受診しましょう。

猫の病気⑦頻繁にえずく

猫は吐く前にケッケッとえずく動作をします。先述したように、猫はよく吐く生き物のため、胸に不快感がありえずいたけどうまく吐けなかったという場合も多いでしょう。

他にも、えずいても吐かない原因にはストレスや毛玉が溜まっている、誤飲、アレルギーなどの可能性が考えられます。

猫は強いストレスを感じた際に黄色味を帯びた嘔吐をします。ストレスによるえづきの場合、動物病院を受診しても異常がみつからないケースもあります。

ストレスと考えられる要因がある場合はそれを取り除いてあげる、長毛種の場合はたくさんの毛を飲み込んでしまうので、飼い主がブラッシングでグルーミングの助けをしてあげる、猫草を与えるなどの対策を行いましょう。

ストレスとなる要因が見つからない場合や、猫草をあげてもえずきが治まらない場合は毛球症など病気の可能性も考えられるため、動物病院の受診をおすすめします。

また、えずいているように見えて実は咳をしているケースもあります。しかし、猫は本来あまり咳をしない動物です。咳が続く場合は何らかの異常を抱えている可能性もあるので注意しましょう。猫の咳は音が小さかったり、ゼーゼーしていたりする発作の様なものです。咳の後には痰を飲むようなしぐさが見られます。

咳の場合は気道内異物、咽頭炎、気管支炎や猫風邪といった病気の可能性が高いでしょう。えずいているのか咳をしているのか見極めることが大切です。不安なことはかかりつけの動物病院に相談しましょう。

猫の病気⑧しっぽが常に下がっている

一般的に、猫のしっぽが下がっている時は、警戒心が高くなっていたり、怯えていたり、ネガティブな感情を意味するとされています。

ペットショップから迎え入れたばかりの頃や引っ越ししたては、しっぽが常に下がっているという猫も多いです。しかし、環境の変化がないにもかかわらず、ある日突然しっぽが常に下がるようになった場合、病気が理由の可能性も考えられます。

しっぽが常に下がっているという症状で考えられる病気として、椎間板ヘルニアや馬尾症候群が挙げられます。

椎間板ヘルニアとは胸から腰の部分の背骨にある神経に異常が生じることで発症する病気です。猫が椎間板ヘルニアを発症している場合、歩くと時にしっぽがさがる、段差を嫌う、姿勢が変化するなど、様々な症状が見られます。

また、馬尾症候群は馬尾と呼ばれる腰と骨盤付近からしっぽに向かって伸びている背骨の神経の束に異常が生じることで発症する病気です。先天性のものと後天性のものがあり、自力で排尿ができない、排便がうまくできない、後肢の異常などが見られます。

椎間板ヘルニアと馬尾症候群の症状は似ており、軽度の場合は痛みが発生し、触られることや体を動かすことを嫌がります。重度となると麻痺が出る可能性があるため、手術が必要になります。

猫の病気⑨舌を出しっぱなしにしている

猫の舌が出たままになっている様子は、たっぷりグルーミングをして舌が疲れている状態や、リラックスしている状態の際に多く見受けられます。

グルーミングをしている最中に大きな物音などがすると、そちらへ注意が行き舌が出たままになってしまうという猫も多いでしょう。ペルシャ系の猫は下あごがもともと小さく、舌を出すしぐさが多く見られます。

舌が出ている状態でも、原因が分かっている場合やすぐに舌をしまおうとしているようであれば動物病院を受診する必要はありません。

しかし、舌を出したままの状態が長時間続いているケースや頻繁に舌を出しているケース、舌を出しながらハァハァと開口呼吸をしているケースは注意が必要です。

高齢になってから舌を出すようになったという猫に多いのが、口内炎や歯周病などの口周りの病気です。猫は免疫力が低下すると口内炎に罹患しやすくなります。口内炎や歯周病になると口周りの痛みから、舌を出したり口を開けっぱなしにしたりする猫が多いです。

他にも、口腔内異物や腫瘍、心臓の病気や熱中症などで口が開いてしまい、舌が出ている可能性があります。ハァハァと荒い呼吸をしている場合は早急に動物病院を受診しましょう。

猫の病気⑩目の瞳孔が開いている

猫は暗いところにいる時だけでなく、興味のあるものを見た時や驚いた時、怖い時などに瞳孔が開きます。瞳孔が開くこと自体は、あまり気にしなくてもよいでしょう。

しかし、長時間瞳孔が大きく開きっぱなしになっている場合、病気の可能性が考えられます。瞳孔が開いている状態で多い病気は、緑内障や白内障、網膜変性症、網膜剝離など目の病気です。また、高齢の猫の場合は甲状腺機能亢進症や慢性腎不全、高血圧なども考えられるでしょう。

緑内障や白内障、網膜変性症は治療が遅れると失明する可能性があります。これらの病気は全身性疾患や外傷に併発して起こることもあるため、全身の検査が必要となります。また、慢性腎不全も治療が遅れると命に関わる可能性があるため注意が必要です。さらに、脳炎や脳腫瘍など脳に異常がある場合もあります。

瞳孔が開きっぱなしになっている場合は重大な病気である可能性が高いため、日頃から愛猫の目をよく観察し、違和感がある場合は早めに動物病院を受診するのがよいでしょう。

猫の病気の早期発見には、日頃の観察が大切

本記事では、猫の普段と異なる素振りや、そこから考えられる病気についてご紹介しました。

猫の普段の仕草をよく観察することで、さまざまな病気の初期症状を見つけることができます。愛猫の様子をしっかりと観察し、小さな変化に気づくことが病気の早期発見、早期治療に繋がります。

少しでも気になることがあれば、動物病院を受診することをおすすめします。しかし、動物病院は治療だけでなく、診察や検査にも当然費用が発生します。

費用が心配で動物病院に行くのを躊躇してしまうという方は、ペット保険への加入がおすすめです。ペット保険に加入することで、万が一の治療費を抑えることができ、気軽に動物病院で受診できるようになるでしょう。

小さな違和感でも病院へ連れて行ける環境を整えることで、家族の一員である愛猫と1日でも長く健康で幸せに過ごせるようにしましょう。

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