猫の主なケガや病気とは?症状を見極めるポイントや対処法を紹介

猫と暮らしていく上で絶対に避けては通れないケガや病気。もしもの時にしっかり対処できるように、知識として押さえておきたいですよね。

この記事では、猫がしやすいケガやかかりやすい病気について特徴をまとめてみました。

ケガや病気を見極めるポイントや対処法についてもお伝えするので、ぜひ今後に備えて確認してみてくださいね。

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猫の主なケガ

猫に多いケガは以下の3種類です。日常生活でも起こりやすいケガなので、しっかりと押さえておきましょう。

  • 外傷
  • 捻挫
  • 骨折

外傷は外に出入りする猫に多く、原因は他の猫との喧嘩がほとんどです。ひっかき傷や場合によっては出血の多い切り傷に発展することもあります。

また、室内でもしやすいケガと言えば捻挫や骨折が挙げられるでしょう。猫が高いところから落下したり、誤って人に踏まれるなどが原因で起こりやすいので、未然に防ぐよう工夫が必要です。

骨折は、落下や交通事故のほか、栄養失調や肥満などが原因で起こることもあります。

猫の主なケガの症状と早く気づくためのポイント

飼い主が猫のケガに早く気づくには、症状を把握することが大切です。

外傷も傷によっては動物病院で治療を受けた方がいいこともありますし、捻挫や骨折は症状の特徴を知らなければ判断がつきにくいです。

ここでは「猫の主なケガ」でご紹介した、下記3つのケガ・症状について解説します。

  • 外傷
  • 捻挫
  • 骨折

以下でご紹介するのは、あくまで基本的な見極めのヒントです。少しでも気になることがあったら、かかりつけの獣医師に相談しましょう。

外傷

外傷は「噛み傷」と「ひっかき傷」の2種類に分けられます。出血がひどかったり元気がなかったりする場合は動物病院に相談しましょう。

また噛み傷は傷口がふさがっていても、体内で炎症を起こしていたり、膿がたまっていることもあります。猫が普段と違って足を引きずるように歩いていたり、一ヵ所だけ重点的に舐めていたりする際は、外傷の有無を確認しましょう。

捻挫

捻挫とは、関節をおかしな方向に曲げたことで関節を結びつけている靭帯が通常よりも引き延ばされた状態のことを指します。猫が捻挫になると痛みや腫れなどの症状がみられます。

もし「足を軽く引きずる」「手足などの体の一部分だけが少し腫れている」などの症状があれば捻挫を疑いましょう。捻挫は室内で安静にするだけで少しずつ腫れが引いていきます。

ただ、数日経っても回復しない、驚くほど痛がるなどの状態であれば骨折を疑い、動物病院に相談してください。

骨折

骨折はどの部位を損傷したかで症状が変わってきます。

前肢(前足)や後肢(後ろ足)を骨折した場合は、地面に足をつけなくなるくらい腫れたり、骨盤などの大きな骨は足を引きずる症状が見られる場合があります。

骨折をした部位によっては立ち上がることや食事をすることが困難になり、命に関わることもあります。骨折は激しい痛みを伴うので、普段よりも気性が荒く痛がっているようならすぐに動物病院に連れていきましょう。

猫の主な病気

猫がかかる可能性のある病気は様々ですが、その中でも特に発症しやすいものは以下の5種類です。それぞれどんな病気なのかをあらかじめ押さえておきましょう。

  • 慢性腎臓病
  • 膀胱炎
  • 胃腸炎
  • 外耳炎
  • 誤飲

慢性腎臓病は、腎臓がダメージを受けて長期的に本来の機能を発揮できない状態です。はっきりした原因は不明と言われていますが、腎臓の細胞が壊れてしまう病気で完治はしないと言われています。

膀胱炎はストレスや細菌感染などが原因で発症し膀胱に炎症が起きてしまう病気です。対して、胃腸炎は食事やストレスなどで胃や腸の粘膜に炎症が発生する状態を指します。

外耳炎は、耳の入り口から鼓膜までに起こる炎症です。細菌がカビの繁殖、耳ダニなどの寄生虫が原因で発症します。

誤飲は、猫の事故の中で特に起こりやすいものの一つです。特に年齢の若い猫は好奇心・食欲ともに旺盛なことから誤飲してしまう可能性が高いです。

猫の主な病気の症状と早期発見のポイント

猫の病気を早期発見するためには、それぞれがどんな症状なのか知っておくことが大切です。少しでもいつもと違うと感じたら、大事になる前にかかりつけの動物病院に相談しましょう。

また早期発見をするためには、普段から猫の生活を観察することやスキンシップを欠かさないようにしましょう。普段はどんな状態なのかを把握しておくと、異変にすぐに気づけます。

ここでは「猫の主な病気」でご紹介した、下記5つの病気・症状について解説します。

  • 慢性腎臓病
  • 膀胱炎
  • 胃腸炎
  • 外耳炎
  • 誤飲

以下でご紹介するのは、あくまで基本的な見極めのヒントです。少しでも気になることがあったら、かかりつけの獣医師に相談しましょう。

慢性腎臓病

慢性腎臓病は高齢の猫に発症しやすい病気です。水をたくさん飲んで尿の量が増えるといった症状が見られますが、徐々に食欲の低下や激しい嘔吐などが起こります。

慢性腎臓病は治すための治療法がない病気です。しかし、早期発見をして食事療法や投薬をすることで、病気の進行を緩やかにすることは可能と言われています。「いつもよりも尿の色が薄くないか」「体重は減っていないか」など猫の体を気遣うことが、早期発見に繋がります。

膀胱炎

膀胱炎の症状としては、頻尿、排尿時に痛そうに鳴く、尿のニオイや色がいつもと異なるなどが挙げられます。

膀胱炎は頻尿や血尿、排尿困難などの症状を見逃さないことが大切です。特に半日以上尿が出ていない場合は、尿道が結石などで詰まっている可能性があり、すぐに動物病院を受診しましょう。

膀胱炎は再発しやすく、進行してしまうと尿道閉塞や腎臓病など命に関わる病気を引き起こす可能性があります。点滴や投薬、食事療法などで膀胱炎を治療し、再発をしないように原因をしっかり把握し、対策しましょう。

胃腸炎

猫の胃腸炎は「急性胃腸炎」と「慢性胃腸炎」の2種類に分けられ、それぞれ症状が異なります。

急性胃腸炎は数日以内で治る症状で、軽度の場合は嘔吐や下痢を繰り返しつつも自然と回復しますが、重症になると動かずに震えたり胃液や血液を吐く場合も珍しくありません。

対して、慢性胃腸炎は発症から2週間以上経過しても回復しない場合を指します。嘔吐や下痢が長引くため体重や元気がなくなり、時に脱水症状を起こすこともあります。

猫は毛玉を吐くなど、嘔吐が時々見られる動物ですが、様子を見すぎてしまうと重症化してしまうこともあります。

嘔吐が続く場合は栄養も取れないので、動物病院に連れていき、点滴や投薬で回復させることがおすすめです。

外耳炎

外耳炎は耳垢の量が増える、耳をかゆがる、耳がくさいなどの症状が見られます。頭をふって耳を気にする軽度なものから、耳から膿が垂れてくるなど症状が重いものがあります。

外耳炎が進行すると、中耳炎や内耳炎など耳の内部まで炎症が広がってしまう危険性があるので、早めの受診が大切です。点耳薬や内服薬によって治療を行い、症状が軽度の場合はおよそ1週間で完治します。

誤飲

好奇心旺盛な猫は、ひもやカーテン、ビニールなど様々なものを誤飲してしまうことがあります。吐こうとしても吐けない、食欲がない、呼吸がしづらくぐったりしているなどの症状があればすぐに誤飲を疑いましょう。

また、おもちゃが壊れている、クッションやカーテンがボロボロになっている、ゴミ箱周辺が散らかっているなどの場合も誤飲している可能性があります。誤飲は命の危険に関わってくるので、少しでも普段と違うと感じたら動物病院に相談してください。

猫がケガや病気をした場合の対処法

食欲もあり排便・排尿が普段通りなら、自宅で猫を安静にしつつ様子を見てみましょう。出血している、ぐったりしている、嘔吐や下痢を繰り返すなどの時は迷わず動物病院を受診してください。

受診する前は、まず動物病院が診療時間内かを確認しましょう。診療時間外でも対応してくれる動物病院を調べておくと、もしもの時に安心です。また、電話などで事前に猫の様子を伝えておくと、よりスムーズに受診できます。

また、病気やケガに備えてペット保険に加入しておくのも良いでしょう。ペット保険はペットが動物病院を受診したときの治療費の一部を補償する保険です。高額な治療費が必要になるケースも少なくないので、補償内容や補償期間をしっかりと確認したうえで加入を検討しましょう。

猫のケガや病気を早期発見できるように普段の様子をチェックしよう

猫を飼う上で避けては通れないケガや病気。それぞれの原因や特徴を押さえておくことで何か起こった時にも冷静に判断することができます。

また、病気やケガの早期発見ができるように、普段から猫の様子を観察しておくことが大切です。いつもと違うと感じたら遠慮なく獣医師に相談してみましょう。どんなケガや病気であっても早期発見と早期治療が一番です。

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この記事の監修者

大熊真穂さん

大熊真穂さん

獣医師。日本大学獣医学部を卒業し、現在は臨床獣医師として動物病院に勤務(個人事業主)。専門家としての正しい知識を伝える記事執筆や監修業務に従事。

大熊真穂さん

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