犬の去勢手術はした方が良い?メリット・デメリットや費用など解説

オスの子犬を飼い始めた方やこれから飼う予定がある方の中で、「犬に去勢手術をさせるべきかどうか」について悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

去勢手術にはさまざまな意見があり、獣医師に相談して考えながら、最終的には飼い主が決断することになります。

本記事では、犬の去勢手術とはどういったものなのか、去勢手術の必要性、メリット・デメリットを紹介します。実際に手術を行う場合のタイミングや費用も解説するので、ぜひ参考にしてください。

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犬の去勢手術とは?

犬の去勢手術とは、オス犬の精巣を摘出してメス犬を妊娠させないようにする手術です。具体的には、全身麻酔をして陰嚢(いんのう)の少し頭側を切開して、中の精巣だけ切除する手術になります。

手術前には獣医師が全身検査を行い、安全に手術ができる状況かを確認し、絶食絶飲をして胃の中を空にしたり、手術部位や周辺の毛を刈ったりなどの準備を事前に行います。

手術そのものは20分ほどで終わる動物病院もあり、健康状態に問題がなければ入院せずその日のうちに自宅へ連れて帰ることもできます。

犬の去勢手術はするべき?

健康な愛犬の体にメスを入れることに対する不安や可哀想という気持ちから、去勢手術をためらう方もいるかと思います。 犬の去勢手術は必ずしなければいけないというわけではなく、飼い主の判断に委ねられています。犬の去勢手術にはメリットがある反面、リスクやデメリットがあるのも事実です。

どちらも踏まえて、愛犬に去勢手術を行うかどうか決める必要があります。以下、メリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。

犬の去勢手術をするメリット

去勢手術といえば、妊娠を防ぐために行うイメージがある方もいるのではないでしょうか。しかしそれ以外にも、愛犬の健康面を考えて検討する場合も多いです。

以下は犬の去勢手術でよく挙げられるメリットです。

それぞれどのようなメリットなのか詳しく解説します。

望まない妊娠が避けられる

多頭飼いをしている場合や室外で愛犬を飼っている場合、望まない妊娠を避けられるのは大きなメリットでしょう。

散歩中やドッグランで目を離した隙に、避妊手術をしていないメス犬と交尾してしまう可能性はゼロではありません。そういったトラブルを防ぐためにも、去勢手術が推奨されています。

オス犬特有の病気を予防する​​

去勢手術のメリットとしては、オス犬特有の病気を予防する効果が期待できるのも大きいです。 去勢手術により、以下の生殖器関連疾患を予防できるといわれています。

これらは年齢を重ねると発症する可能性があり、悪化すると命に関わるかもしれない病気もあります。このように病気の予防目的で愛犬に去勢手術を受けさせることも多いでしょう。

発情によるストレスをなくす​​

オス犬は、発情しているメス犬のフェロモンを感知すると興奮してしまいます。例えばドッグランや散歩中に発情期のメス犬を追いかけまわすことがあります。

当然、多くの飼い主が制止しますが、制止されたオス犬は交尾ができないストレスからイライラしてしまい、攻撃的になることがあります。メス犬をめぐってオス犬同士で喧嘩をしてしまうこともあるでしょう。

去勢手術では、このような性的欲求をなくすことで、愛犬のストレスを軽減できます。

マウンティング行為の減少​​

犬のマウンティング行為とは、飼い主や他の犬、物などに対して腰を振る行為です。マウンティング行為はじゃれているだけの場合もありますが、交尾欲求も理由の一つです。​

去勢していないオス犬は発情したメス犬がそばにいれば、いつでも発情した状態になり得ます。​

去勢手術をしてもマウンティング行為を続ける可能性はありますが、去勢手術をすると頻度が少なくなるといわれています。​

マーキング行動の減少​​

マーキングとは、犬が後ろ足をあげていたる所に尿をする行為です。マーキングをする理由はさまざまですが、犬は尿のニオイを嗅ぐとその犬の性別や年齢、大きさなどを

理解できるため、自分の縄張りであることをアピールする役割があります。​​

マーキング行為は室内でしてしまうこともあるため、特によその家に遊びに行く場合は飼い主も心配になるでしょう。​​

去勢手術によってマーキング行為が確実になくなるとは限りませんが、少なくなる可能性があります。

犬の去勢手術をするデメリット

多くのメリットがある犬の去勢手術ですが、以下のデメリットも挙げられます。

これらのデメリットがあることも理解して、去勢手術を検討しましょう。

子孫を残せなくなる​​

去勢手術では生殖機能を取り除くため、子孫を残すことはできなくなります。子犬(愛犬の子ども)が欲しいという場合は、去勢手術をするかどうかを慎重に検討するようにしましょう。

全身麻酔の手術によるリスクがある

全身麻酔をする必要があることは、飼い主が去勢手術をさせるかどうか戸惑う理由の一つではないでしょうか。

もちろん動物病院では手術前に全身の検査を行い、細心の注意を払って安全に手術を進めます。しかし、全身麻酔による副反応がゼロではないことは理解しておきましょう。アナフィラキシーショックという命にかかわる重篤な副反応を起こす可能性もあります。

またブルドッグやパグなどの短頭種では、麻酔後に気道閉塞を起こしてしまう可能性があり、手術後の体調管理も重要です。

食欲が増して太りやすくなる

去勢手術をした犬は、していない犬と比べて太りやすい傾向にあります。これは消費するエネルギー量が減ることや、食欲を抑制する働きがある男性ホルモンが減少することなどが原因です。

去勢手術をする前後で、変わらず同じ食事をしているとカロリーオーバーになるため、去勢手術の後は食事に気をつける必要があります。

犬の去勢手術をするタイミング

多くの犬種は、生後1年以内には生殖機能が備わる性成熟を迎えます。そのため、生後6か月程度のタイミングでの去勢手術を推奨する獣医師が多いようです。

去勢手術に年齢制限はないため、健康であれば成犬でも去勢手術は可能です。しかし、高齢になるほど身体にかかる全身麻酔のリスクが大きくなるため、できるだけ早めに去勢手術を行うのがおすすめです。

愛犬の健康状態や体重、精巣の大きさ(成熟度)などによっても去勢手術の適切なタイミングは異なるため、獣医師に相談しましょう。

犬の去勢手術にかかる費用

犬の去勢手術にかかる費用は体格によって変わります。動物病院によっても差がありますが、目安となる費用(手術・入院・麻酔代含む)をまとめました。

小型犬 約20,000円〜
中型犬 約25,000円〜
大型犬 約30,000円〜

動物病院によっては診察料、施術前検査、内服代、抜糸代などが別料金になる可能性もあるため、よく確認しておきましょう。ちなみに去勢手術はペット保険の補償対象外となっています。

犬の去勢手術は獣医師とも相談して検討しよう

犬の去勢手術は賛否両論があるテーマです。最終的には飼い主が決めるものの、愛犬の負担を考えるとなかなか判断は難しいものです。

愛犬の去勢手術についての心配や不安は一人で抱え込まず、信頼できる獣医師を見つけて相談するとよいでしょう。

どういったメリットとデメリットがあるのかよく理解したうえで、大切な愛犬にとってベストな選択をしましょう。

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この記事の監修者

志村みゆきさん

志村みゆきさん

獣医師。日本獣医生命科学大学獣医畜産学部獣医学科を卒業後、獣医療、営業、編集者、研究助手、専業主婦などを経て、現在、医大の研究室にて動物実験や生化学実験業務に従事。

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