【犬の年齢ガイド】人間に例えると何歳?見た目で年齢を判断する方法を解説

犬と人間では、年齢換算の方法に大きな違いがあります。例えば、人間の7歳はまだまだ目の離せない子供であるのに対し、犬の7歳はシニア期に相当します。つまり、犬の7歳は体調の変化など心身に不調があらわれやすい、高齢への入り口だとされています。

本記事では犬の年齢を人間の年齢に換算する計算方法や調べ方、犬の年齢ごとの健康管理方法などをご紹介します。愛犬の年齢に関する正確な知識が病気の早期発見、早期治療に繋がる可能性もあります。愛犬との時間を少しでも長く過ごしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

アイキャッチ画像

この記事の監修者

石川愛美さん

石川愛美さん

獣医師。日本獣医生命科学大学獣医学部を卒業後、都内動物病院に臨床獣医師として勤務。現在は、動物病院を開設し、近隣への往診やオンラインにて飼い主の相談に答えたり、コンサルタントとして新規事業立ち上げの際、インタビューを受けるほか、記事執筆等を行う。

石川愛美さん

犬の年齢を人間に例えると何歳?

犬の年齢を人間の年齢に換算する方法は、複数あります。それぞれに少しずつ違いがあり、「これが正しい」という正解はありません。そのため、あくまでも目安として考えるのが良いでしょう。

昔からよく使われてきたのは「dog year」という計算方法です。「dog year」は下記の計算方法を用います。

犬の年齢×7歳=人間の年齢

しかし、犬の平均寿命から鑑みると、この計算方法では犬の年齢を正確に把握することは難しいと言われています。

ここからは、2018年8月に公開された環境省による「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」の年齢換算方法を用い、成犬時の体重が10kg未満を小型犬、25kg未満を中型犬、25kg以上を大型犬と分類した、最新の計算方法をご紹介します。

小型犬・中型犬の年齢早見表

トイプードルやミニチュアダックスフンド、ポメラニアンなど成犬時の体重が10kg未満の小型犬や、コーギーや柴犬、ボーダー・コリーなど成犬時の体重が25kg未満の中型犬は、成犬になるまでの成長が速く、老化が遅いのが特徴です。

そのため、小型犬・中型犬は大型犬よりも平均寿命が長い傾向にあります。

2歳で24歳

小型犬・中型犬の場合、2歳の時点で人間年齢は24歳程度と考えましょう。それ以降は1歳成長するごとに人間年齢4歳を加算する計算方法が適正とされています。

小型犬・中型犬の年齢を人間の年齢に換算した早見表は下記をご確認ください。

小型犬・中型犬の年齢 人間の年齢に換算した年齢
3カ月齢 5歳
6カ月齢 9歳
1歳 17歳
2歳 24歳
3歳 28歳
4歳 32歳
5歳 36歳
6歳 40歳
7歳 44歳
8歳 48歳
9歳 52歳
10歳 56歳
11歳 60歳
12歳 64歳
13歳 68歳
14歳 72歳
15歳 76歳

16歳以上の場合も同様の計算方法を用いましょう。

大型犬の年齢早見表

大型犬は、小型犬・中型犬に比べると成長スピードが遅いとされており、小型犬・中型犬は約1年で成犬になるのに比べ、大型犬は成犬になるまでに約2年かかるといわれています。

成長スピードが遅い反面、老化スピードは速く、小型犬・中型犬に比べると平均寿命が短いのも大型犬の特徴です。

1歳で12歳

大型犬の場合、1歳の時点で人間の年齢に置き換えると12歳程度とし、その後1歳成長するごとに7歳を加算する計算方法が適正とされています。

大型犬の年齢を人間の年齢に換算した早見表は下記をご確認ください。

大型犬の年齢 人間の年齢に換算した年齢
1歳 12歳
2歳 19歳
3歳 26歳
4歳 33歳
5歳 40歳
6歳 47歳
7歳 54歳
8歳 61歳
9歳 68歳
10歳 74歳
11歳 82歳
12歳 89歳
13歳 96歳
14歳 103歳

15歳以上の場合も同様の計算方法を用いましょう。

小型犬・中型犬の年齢早見表と比較すると、3歳までは大型犬のほうが人間換算年齢は低くなっています。

しかし、小型犬・中型犬が11歳で人間換算年齢が60歳なのに対し、大型犬は8歳で人間換算年齢が61歳と、小型犬・中型犬よりも老化の速度が速いことが分かります。

参照:環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン~犬・猫の健康を守るために~2018年8月(第3版)」

加齢に着目した新しい年齢換算方法

2019年11月に米国のカリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)の研究チームにより、
下記の年齢換算方法が発表されました。

16ln(犬の年齢)+31 = 人間の年齢
※㏑:電卓にある自然対数キー

上記計算式は、犬の加齢に注目したUCSDチームがDNAのメチル化を用いて算出したデータから導出されています。

犬の加齢に着目した医学的な年齢換算方法で、104頭の犬の血液と人の血液を分析して算出した計算方法となっており、病気の早期発見・早期治療に最も適していると考えられています。

新しい年齢換算方法で犬の年齢を人間換算すると、今まで考えられていた人間換算された犬の年齢とは異なる点があります。

昔からポピュラーとされている「dog year」と環境省での大型犬の計算方法、新しい年齢換算方法をグラフにして比べてみました。

年齢換算方法比較

※新しい計算方法は、大型犬であるラブラドールレトリバーのみを対象に研究されたデータのため、大型犬に比べて平均寿命が長い小型犬・中型犬には当てはまらない可能性があります。

「dog year」と環境省の計算方法では、右肩上がりにまっすぐグラフが伸びているのに対し、新しい年齢換算方法では高齢になるにつれて、ゆるやかなカーブとなっているのが分かります。

この理由から、現在は大型犬に限っての計算方法として紹介されていますが、今後は小型犬・中型犬についても同様の年齢換算方法が展開されるのではないかと期待されています。

犬の年齢の調べ方

ペットショップやブリーダーから犬を家族に迎え入れた場合、年齢だけでなく生年月日までしっかりと教えてもらえるケースがほとんどです。

しかし、保護犬や野良犬を家族に迎え入れた場合、年齢が分からないというケースもあるでしょう。特に成犬の場合は見た目で判断することが難しいため、身体的な特徴から年齢を調べる必要があります。

身体的な特徴から犬の年齢を調べる際、一番大切なポイントは歯の状態です。乳歯と永久歯がどのように生えているか、歯石はどれくらいたまっているか、歯がすり減っていないかなど、歯の状態からさまざまな情報を得ることができます。

歯の状態をチェックした上で、犬を発見した場所や環境、毛艶や顔つき、体つきなどを総合して、犬の年齢をある程度予測することが可能です。

しかし、幼齢や若い成犬の場合は特徴が分かりやすい一方で、年齢を重ねていれば重ねているほど、年齢の予測が難しくなってしまいます。推定年齢の判断は、獣医師に聞くのも1つの手です。推定年齢を把握することで、年齢に合わせた飼育や病気の予防、また、ペット保険の加入が可能になるケースもあります。

犬の平均寿命

犬を室内飼育することが一般的になったことや獣医療の発達から、犬の平均寿命は年々延びている傾向にあります。

2021年に発表された一般社団法人ペットフード協会のデータでは、犬全体の平均寿命は14.65歳となっており、2010年の調査に比べ、0.78歳延びていることが分かりました。また、犬の大きさや種類から比較した場合、超小型犬の寿命が特徴的に長いという結果でした。

現在史上最高齢のギネス世界記録保持犬はオーストラリアン・キャトル・ドッグの牧牛犬Bluey(ブルーイー)で、29歳160日です。

オーストラリアン・キャトル・ドッグの平均寿命は、13〜15歳であり、Blueyはこれを大幅に上回っています。

参照:一般社団法人 ペットフード協会「2021年(令和3年)全国犬猫飼育実態調査結果」

参照:Guinness World Records「Oldest dog ever」

犬の年齢に合わせた健康管理の方法

犬の健康管理方法は様々ですが、愛犬の年齢を人間の年齢に換算し、それに合わせて行う健康管理は主流な方法の1つとなっています。

犬の年齢に合わせた健康管理を行うことで、1日でも長く愛犬と幸せな生活を送ることができるでしょう。

ここでは愛犬の年齢に合わせた健康管理の主な方法を3つご紹介します。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

ライフステージに合わせた食事

子犬、成犬、シニア犬など、年齢によって必要なエネルギー量や栄養素は異なります。そのため、ライフステージに合わせた食事を与えることが大切です。ここからは、ライフステージ別に適切な食事をご紹介します。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

離乳期

ペットショップやブリーダーから家族に迎え入れることが可能になる生後56日から生後3カ月頃までは離乳期と呼ばれます。

離乳期は文字通りミルクからドライフードに移行する時期です。お湯やミルクでふやかしたフードを数回に分けて与えましょう。

成長期

小型犬・中型犬の場合は生後3カ月から1歳頃まで、大型犬の場合は生後3カ月から1年半頃までは成長期と呼ばれます。

成長期の子犬は食欲が旺盛で、1日に必要なカロリーも高いです。成長期の子犬には成犬用のフードより栄養やカロリーが豊富な、成長期用のドッグフードを与えましょう。

成犬期

小型犬・中型犬の場合1歳から7歳頃、大型犬の場合1歳半から5歳頃までは成犬期と呼ばれます。

成犬期では成犬用のドッグフードを適正量あげることが大切です。また、成犬期の犬の場合、運動量や生活環境によって必要なカロリーが異なることも押さえておきましょう。

愛犬の体型を見ながら肥満にならないようにフードの量を調整したり、愛犬に合ったドッグフードのチョイスをしましょう。

中高齢期

小型犬・中型犬の場合7歳以降、大型犬の場合5歳以降は中高齢期と呼ばれ、徐々に運動量が減り、寝ていることが多くなってきます。

今まで通りの成犬用フードを与えていると肥満になってしまう可能性があるため、シニア用のドッグフードをあげるなど、体重管理に気を配ることが大切です。

歯石などの口腔ケアはもちろん、愛犬の状態によってはドッグフードを手作り食にするなど、愛犬の体調に合わせながら、しっかりと健康管理を行いましょう。

病気の予防

人間が年齢を重ねると体調を崩しやすいのと同様に、犬もシニアになると体調を崩しやすくなります。犬種ごとに発症しやすい病気も異なるため、犬種と年齢でなりやすい病気を把握することが重要です。

病気の早期発見・早期治療を行うためには、普段から愛犬をよく観察し触れ合っていることが大切です。子犬や成犬のうちから小まめにスキンシップを取りながら小さな異常も見逃さないように心がけましょう。

犬種別の発症しやすい病気は下記記事をご覧ください。

関連記事:【犬の大きさ・犬種別】どんな病気が多い?自宅での健康チェック方法を解説

避妊・去勢手術の検討

避妊・去勢手術をしていない犬に比べると避妊・去勢手術をしている犬は平均寿命が長いという説もあります。

避妊・去勢手術を行うことで精巣腫瘍や子宮蓄膿症、乳腺腫瘍など性別特有の病気を未然に防ぐことができ、病気の発症率が低くなるからだと考えられています。

他にも避妊・去勢手術をすることで、発情中のメスのにおいを追いかけて脱走することを防ぐ、望まない妊娠を防ぐなど、さまざまなメリットがあげられます。

麻酔をかけるリスクが低いことや、マーキングなどの性別特有の行動を減らせる可能性があることから、犬の避妊・去勢手術は生後8カ月前後で行うのが一般的です。かかりつけの動物病院に相談しましょう。

しかし、避妊・去勢手術はメリットだけではありません。麻酔をかけるリスクや、ホルモンバランスの影響により太りやすくなるなど、避妊・去勢手術によるデメリットも考えられます。

避妊・去勢手術をするかしないかは、動物病院や家族としっかりと話し合った上で決定することが大切です。

愛犬の年齢に合わせた健康管理をしよう

本記事では人間に例えた犬の年齢の計算方法や調べ方、犬の年齢ごとの健康管理方法などをご紹介しました。

当たり前ですが、犬は人間の言葉を話すことができません。そのため飼い主が些細な変化に気付いてあげる必要があります。子犬や成犬のうちから小まめにスキンシップを取りながら小さな異常も見逃さないように心がけましょう。

また、人間が年齢を重ねると体調を崩しやすいのと同様に、犬もシニアになると体調を崩しやすくなります。不測の事態に備えておくためにも、ペット保険への加入を検討するのもよいかもしれません。

au損保のペットの保険なら、24時間365日無料で獣医師に電話相談が可能

「au損保のペットの保険」なら、24時間365日いつでも獣医師への電話相談が無料で行えます。※1

フードやしつけなどの日常の悩み、動物病院に連れて行くべきかの判断など、ペットについて困った時にご活用いただけます。
※1:通話料はお客さま負担です。

獣医師に電話相談イメージ

ペット保険ならau損保

犬や猫を飼い始めた方、ペット保険の切り替えをお考えの方はau損保のペットの保険はいかがでしょうか?

「au損保のペットの保険」が選ばれる5つのポイント

「au損保のペットの保険」なら、月々830円~のお手ごろ価格で家計に優しく※3、お支払い限度額までなら保険期間中の保険金支払いは回数無制限で、1回あたりの限度額はございません。

保険金のお支払いは、獣医師が監修し、対応満足度も96.3%※2と、多くの方に満足いただいております。

また、保険金の請求に関してもWEB上や電話に加え、スマホアプリからも行えます。 スマホアプリの場合は、面倒な紙の請求書の記入・郵送は不要です。そして、大切な家族(ペット)の健康やしつけ、お困りごとなどを24時間365日獣医師に電話相談できます。相談料は無料です。※1

ぜひau損保のペットの保険をご検討ください。

※1:通話料はお客さま負担です。
※2:2020年4月から9月までの6か月間、保険金をお受け取りいただいたお客さまを対象にアンケートを実施。アンケート回答件数214件中「満足した」「どちらかというと満足した」を集計
※3:※猫2歳/通院なしタイプ/50%コースの場合

関連記事

犬の保険加入は必要?メリット・デメリットと選び方のポイントを解説

コラムを読む

犬がトイレをわざと失敗する理由やしつけ方法、トレーニンググッズを解説!

コラムを読む

犬用グッズ(ゲージ・首輪・リード・トイレ用品など)の失敗しない選び方

コラムを読む

犬の保険を
ご検討中の方

お悩み解決! ワンちゃんとの暮らしに
役立つコラム

飼い主の方のよくあるお悩みの
解決方法などを多数掲載しています

    N21C310198(2112)