安全な自転車通学のために

乗る人の行動範囲を手軽に広げてくれる自転車は通学でも多く利用されています。お子様自らが自転車通学を望むことも多いかもしれません。

自転車通学をする子供は学生のうちどれくらいの割合を占めているか、ご存知ですか?国土交通省 都市計画調査室のパーソントリップ調査によると、自転車通学をする生徒は東京都市圏で12.1%(平成10年)、金沢都市圏では18.4%(平成7年)、さらに香川・高松都市圏では30.5%(平成11年)に達するほど多いのです。それだけ多くの学生が毎日の通学に自転車を利用しているなか、安全のための交通ルールや自転車のマナーを守らない危険な走行を見かけることがあります。移動手段として大切な足であるにもかかわらず、自転車が粗末に扱われているケースもあるようです。
(出典:国土交通省都市計画調査室 都市交通調査概要

自転車の安全な乗り方・通学ルール

自転車通学をする中学生高校生の学生さんとその保護者である親御さんに向けて、自転車保険のau損保では安全な自転車通学に役立つ情報をまとめました。 自転車通学におすすめの走行が快適でメンテナンスがしやすい自転車の選び方のポイントや、トラブルを避けるために最低限守っておきたい交通ルール、自転車による交通事故による統計やいざというときの備えとなる自転車保険などについて、これから自転車通学を始めるお子さんにも、既に自転車通学をしているお子さんにも大切なノウハウが詰まっています。身近な自転車だからこそ、親子で安全対策についてチェックしてみましょう。

中高生は自転車に乗れるようになってから、かなりの月日が経っています。そのため、自分の体の一部と思えるくらい、自然に自転車に乗っていることでしょう。しかし、ドライバーや長く自転車に乗り続けている人間から見ると、自転車に乗る中高生はとても危うく思えます。それは速度も運動特性も異なる交通手段が入り交じった道路において、他者に対する配慮を欠いた振る舞いをする自転車がとても多いからです。

これまで自転車は交通弱者とされ、ルールやマナーを破っても大目に見られてきました。しかし、近年はとりわけ歩行者に危害を与える行為に対し、厳罰が下されています。これは未成年であっても同様です。今回は自身にとっても、そしてまわりの人にとっても安全な乗り方を改めて解説していきます。

自転車の正しい発進の仕方

まず最初にご紹介するのは、自転車の正しい発進方法です。

一番大切なことは周囲の交通状況を見極めるため、自転車を発進させる前(できれば停止する前も)に後ろを振り返って、安全を確認することです。

また、中高生に限らず自転車に乗る人の多くが、片足をペダルに載せ、もう片足で地面を何度か蹴りながら自転車を発進させていることでしょう。いわゆる〝ケンケン乗り〟です。この乗り方は自転車にまたがってペダルをこぎ始めるまでは自転車がふらつきがちで、後方からオートバイや自動車が近づいてきたとき接触する恐れがあります。

そこで今回は、意外と知られていない自転車の正しい乗り方を順番にご説明します。

  1. 発進する前に、まず後方を確認する
  2. サドルに腰掛けないで自転車のフレームをまたぎ、片足をペダルに載せます。
  3. ペダルを踏み下ろしながらもう片方の足で地面を蹴ります。そうするとすぐにスピードが上がって自転車はふらつきません。
  4. 踏み下ろした足と両手を支えにヒザとヒジを伸ばせば、お尻は自然とサドルに収まります。

停止するときはその逆です。

  1. ブレーキをかけてスピードが落ちたら、ペダルから離した片足を前に伸ばします。
  2. お尻を前にずらしながらペダルから離した足を地面に下ろします。
  3. しっかり止まったら、もう片足も地面に着きます。
発進する前に、まず後方を確認する
ペダルを踏み下ろしながらもう片足で地面を蹴る
踏み下ろした足と両手を支えにヒザとヒジを伸ばせばお尻は自然とサドルに収まる

自転車のブレーキの正しいかけ方

問題となっている「ながらスマホ」のような、携帯電話を操作しながら自転車に乗る片手運転……などというのは論外ですが、両手でハンドルを握っている場合でも、片方のブレーキしか利用していない人はいるのではないでしょうか。ブレーキは前後いっしょにかけることで必要な制動力が得られるよう作られています。ですから特に雨天の場合など、片方のブレーキだけでは自転車が思うように止まってくれません。

だからといってブレーキを思い切りかけると車輪がロックし、後輪なら車体が左右に振れて転んでしまったり、前転なら下手をすると自転車が前転宙返りしてしまう恐れもあります。ケガや自転車事故を防止するため、ブレーキをかけるときは前後同時にかけるようにしましょう。

ブレーキは前後いっしょにかける

自転車の右折左折・進路変更の際は必ず後方確認

前を走る自動車がウィンカーを出さずにいきなり進路を変え、ヒヤッとした経験はありませんか? 自転車も右左折や進路変更をする際には手信号を出すことになっていますが、ごく一部の人を除いてそれは守られていません。つまり多くの自転車は、ウィンカーを出さない自動車と同じ状態で走行しているわけです。

本来、後ろから近づいてくる自動車やオートバイとぶつかるのを避けるには、手信号を出してこちらの意志を伝えるのがベストです。とはいえ手信号を出している間は片手運転になってしまうというリスクもありますので、一足飛びにそれを望むのは難しいでしょう。となると最低限やるべきなのが、右左折や進路変更をする前に後方を確認すること。障害物をよけたり駐車車両を追い越したりするときは必ず実行しましょう。そして、近づいてくる車両を確認した場合は必ず停止。仮に優先権がこちらにあったとしても、ぶつかってケガをするのもこちらです。おとなしく譲るに越したことはありません。

右左折や進路を変更する際は、必ず後方を確認する

自転車通学で守りたい車道の左端走行

本来自転車は自動車と同じ車両ですから、歩道ではなく車道を走行するのが原則です。しかし、日本では交通事故の死者数が1万7000人近くとなり“交通戦争”と呼ばれた1970年代、緊急避難として一部の歩道走行が認められました。そして、年が経つにつれ例外とされていたものが逆転、現在は自転車が歩道を我が物顔で走行するようになっています。

その結果、交通事故全体が減少傾向にあるなか、自転車事故、特に自転車対歩行者の対人事故が増加しており10年前との比較では1.5倍、近年でも横ばいが続き、交通事故全体のなかで占める割合は増しています。さすがにこの状況を看過することはできなかったのでしょう。平成23年に警察庁は通達を出し、「自転車は原則として車道を通行する」ことを徹底する方針を打ち出しました。

もちろん、今でも自転車の通行が許可されている歩道はありますし、それ以外の歩道も高齢者や子どもについては歩道の走行が認められています。しかし運動能力に優れた中高生が運転する自転車は、車道の左端を走行すべきでしょう。歩道では歩行者との速度差によって、むしろ事故の加害者になりえます。

最も危険な車道の逆走。正面衝突したら互いに大ケガすることになる
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