トピックス

2020年8月18日

~自転車は車道と歩道のどっちを走った方が安全?~
au損保と八重洲出版が検証
車道を走ることで事故リスク軽減効果ありとの結果

自転車向け保険を取り扱うau損害保険株式会社(以下、au損保)と、株式会社八重洲出版が運営するスポーツバイク専門メディア「Cycle Sports」(以下サイクルスポーツ)は、自転車の車道通行時と歩道通行時の自動車ドライバーからの視認性について、専門家(※1)の見識を基に検証を行いました。
その結果、自転車で走る際には「車道の左側」を通行することで、自動車ドライバーからより認知され、交差点等での事故リスクを抑えられるということが明らかになりました。

自転車は原則として「車道の左側」を通行することが道路交通法で定められていますが、au損保の調査(※2)によると、車道の左側通行に関するルール(道路交通法第17条・18条)を「知っている」、「なんとなく知っている」と答えた人は約94%と、自転車利用者の大多数がこのルールを知っていることがうかがえます。一方で、自転車で車道を走ることを「危ないと思う」、「やや危ないと思う」と答えた人は約95%という結果が出ており、ルールは知っているものの車道の左側通行を危ないと思っている利用者が多くを占めている現状がうかがえます。

そこで、au損保と八重洲出版が実際に「歩道」と「車道の左側」を通行し、交差点進入時の安全性の違いについて検証を行いました。新型コロナウィルス禍で政府から新しい生活様式が提示され、自転車利用について見直される中、自転車利用者が増えていることからも、多くの人に自転車交通ルールを再確認していただくきっかけになればと思います。

※1

NPO法人自転車活用推進協議会所属・株式会社セルクル代表 田中章夫氏

※2

au損保「自転車の車道通行に関する調査」(2020年8月5日)

1.
道路交通法上の位置づけを再確認

はじめに、改めて自転車の通行について道路交通法上の位置づけを確認します。

  • ●自転車は車両の一種に位置づけられます。(第2条)
  • ●自転車は原則として車道の左側端を通行しなければなりません。(第17条)
  • ●自転車の歩道通行は、あくまで例外として条件つきで認められます。(第63条の4)
  • 2.
    自転車は自動車ドライバーから認知されることが重要

    専門家の見識によれば、交通事故の原因の多くは「認知ミス」によるものであり、自転車が自動車ドライバーからその存在に気づかれない、あるいは気づかれるのが遅れることによって、事故が発生する可能性が高いようです。
    警視庁が公表しているデータ(※3)では、自動車対自転車の死亡・重傷事故のうち「出会い頭衝突」(56%)に次ぎ、「右左折時衝突」(25%)が2番目に多い結果となっており、交差点での事故が多いことが伺えます。

    今回の検証では、実際に自転車で「車道の左側」と「歩道」をそれぞれ通行し、交差点進入時に、自動車ドライバー目線で自転車の存在が認知されるのにどの程度の差があるかを確認していきます。

    (注)

    実験に際しては、交通量が少ない場所・時間帯を選び、周囲の交通を妨げたりしないよう、細心の注意を払って行っています。
    また、歩道を通行する際には時速4km以下で徐行し、歩行者が周囲にいない状況で行っています。

    ※3

    警察庁交通局資料「自転車関連事故に係る分析」(2019年4月25日)

    【検証1】
    歩道通行から交差点に進入する場合

    まず、交差点に進入するまで「歩道」を通行してみます。
    この場合、自動車ドライバーの意識が及びやすい範囲は下記の写真の通りで、歩道通行している時点では、自動車ドライバーから自転車の存在が認知されにくいことがわかります。
    自動車にもよりますが、自転車とバックミラーが重なって見えなかったり、歩道の植え込みやガードレール等が自転車の気づきづらさを助長するようです。

    そのまま交差点に進入すると、下記の写真のように自転車は自動車ドライバーの視界に突然現れるように見え、接触や巻き込み事故等の可能性が高くなります。

    この状況を分かりやすくイラスト化すると、下記のようになります。

    【検証2】
    車道通行から交差点に進入する場合

    次に、交差点に進入する前から「車道の左側」を通行してみます。
    この場合、下記の写真の通り、自動車ドライバーの意識の及びやすい範囲に自転車が存在していることがわかります。

    このまま交差点に進入しても、下記の写真のように自動車ドライバーから自転車の存在を認知されているため、接触や巻き込み事故等が発生しにくくなります。

    この状況を分かりやすくイラスト化すると、下記のようになります。

    3.
    まとめ

    以上から、自転車と自動車との接触・衝突事故を防ぐには、前後左右の安全確認は勿論ですが、自動車ドライバーから認知してもらうことも重要だと考えられます。「車道の左側」と「歩道」とでは自動車ドライバーからの認知に差があり、交差点進入前には「車道の左側」を通行していた方が安全であることが分かりました。

    もちろん、単に自転車は「車道の左側」を通行していればいいというわけではありません。その他、自転車利用時のルール・マナーの遵守や安全対策を行うことも運転者の義務であります。自転車に乗る全ての方が安全・安心な自転車ライフを送るためにも、この機会に自転車利用時のルール・マナーを再確認しましょう。

    au損保は、これからもスマホを中心とした保険・サービスの提供等を通じて、皆さまのライフスタイルに寄り添い、安心・安全な毎日をサポートしてまいります。

    以上